留学生と交流する会のご報告「2016年度 第3回 歌舞伎鑑賞会」

殊の外、晴陰定まらない今年の梅雨の末に近い7月16日(土)に留学生16名、ボランティア22名が歌舞伎座で「七月大歌舞伎」を鑑賞しました。今月の演目は、柳澤吉保の野望と劇的幕切れを描いた「通し狂言 柳影澤蛍火 柳澤騒動」と時節柄、七夕の夜の雷夫婦の話である「歌舞伎舞踊 流星」(幕切れには宙乗りの演出)でした。留学生達は「歌」・「舞」・「伎」の豪華絢爛の総合舞台芸能に酔いしれていました。長丁場でしたが、幸い今回の留学生の大部分が日本語に大変堪能で、タブレットやイヤホーンの助けを借りながら我々に近い程度に筋を理解しているようでした。その証拠に、幕間や昼食の間に投げ掛けられる質問にボランティアがたじたじとなる場面もありました。「柳沢騒動」は主人公が自滅の悲劇に終わりシエークスピア悲劇の様だと感想をもらす中国からの留学生もいました。

終演後はいつもの様に懇親会を「銀座ライオン」で開きました。バラエティに富んだ話題が留学生とボランティア、留学生同士の間で賑やかに交歓されました。学業を終えて近々帰国する学生(往く人)、来日したばかりの学生(来る人)と、我々の「異文化交流」の事業はまだ続きます。折から、銀座通りは「歩行者天国」、参加者は夫々の思いを胸に暮れ泥む銀座通りの雑踏の中に散って行きました。