平成28年度第1回定例懇話会は、東京銀杏会副会長の内海善雄氏(S40法)を講師にお招きし、平成28年9月30日(金)に開催されました。
内海氏は1999年から2006年12月までITU(国際電気通信連合)事務総局長を2期8年間務められており、そこでの経験を踏まえて、「国際社会で感じた日本人の長所と短所」をテーマに講演なさいました。
氏によると、ITUでの8年間は、日本人(内海氏)が異質性ゆえに誤解を受け、良い面を十分に生かせず、大変損をしたという感想でありました。これからの世代は同じような失敗や苦渋の経験を避け、スマートに世界に伍して生きていくべきだとおっしゃいました。
ITUでは、「自己の利益を公益と結び付けて正当化する」、「自分の意見をストレートに言う」、「恥を感じない」、「自己防衛のために攻撃する」、「ルールを武器にする」、「コンサルタントを活用する」など、日本人とは異なる行動様式が通常であったとされました。
国際的な場での日本人の長所は「嘘をつかず信頼できる」、「決めたことは実行する」、「真面目でサボらない」、「礼儀正しい・マナーが良い・清潔」などですが、一方、短所は「コミュニケーション能力がない」、「超お人よし」、「目標が不明確で作戦や戦略が無い」、「決定に時間がかかる」、「inscrutable何を考えているのか分からない」等だと述べられました。
日本人の長所が短所のために理解されない傾向があるので、「完璧主義を排し決定を早くする」、「相手の価値観を推察し共有する」、「常に短所を意識する」などの努力が求められると、おっしゃいました。
最後に、「ステレオタイプ・教科書的な対応は不可」とまとめられました。
会の初頭の挨拶は篠沢会長がなさり、また、懇親会の乾杯のご発声は橋本徹前会長がなさりました。懇親会では、東京銀杏会の国際派を自負する方々が集まり、国際社会における日本人のあり方などについて議論が続きました。懇親会の中締めは岩村敬代表幹事がつとめられ、楽しいひと時が終了しました。詳細は、今秋発刊の会報誌『銀杏』に掲載予定です。
(文責:水谷潤太郎 S48工)