今月は、「政と官について」というテーマで、江利川毅氏(昭和45年法学部卒)にお話しいただきます。
日時:7月11日(水)正午頃
場所:新橋亭新館 (いつものビルです。) TEL: 03-3580-2211
スピーカー: 江利川 毅(昭和45年 法学部卒)
(略歴)
昭和22年4月生まれ、埼玉県出身
昭和45年厚生省入省
2回の総理官邸勤務(①中曽根内閣・竹下内閣、②橋本内閣・小渕内閣・森内閣)
内閣府事務次官→民間シンクタンク→厚生労働事務次官→私立大学特任教授→
人事院総裁→民間研究機関(県立大学理事長を平成30年3月まで)
<スピーカーからの一言>
最近の中央官庁における様々な失態は、元国家公務員の私には信じがたいものがある。どこに原因があり、何をどう是正していけばいいのか。きっと直すべき何かがあるはずではあるが、現在の霞が関の状況をつぶさに知っているわけではないので、軽々に推論を述べることは差し控えたい。
私は、国会議員も国家公務員も公務員であり、それぞれの持ち味を生かし責務を果たしながらあたかも車の両輪のように機能して、国民のための政策が実施されていくことが望ましいと思っている。
今回のスピーチにおいては、行政や国家公務員についての法制上の基本的枠組みを説明し、1990年ごろからの動きを辿りながら、政と官について考えるポイントを提示できればと思っている。
1990年代は総理が8人誕生するなど政局問題が大きくなり、官のサイドで国家運営の破たんを避ける努力をせざるをえなくなる。この頃に官僚主導ということがいわれた。2001年の中央省庁再編によって、総理のリーダーシップの強化を図り、政治主導の基盤ができた。しかし、衆参のねじれ国会が、迅速な政策決定の足かせとなった。この頃に、国家公務員制度改革基本法が与野党賛成の下に可決され、政治主導の仕組みの布石が打たれることになる。
2009年に民主党内閣が誕生し、脱官僚を旗印に、新しい政策決定、政策実施を試みた。うまくいった部分もあるのかもしれないが、混乱も多かった。2012年の年末の総選挙で自公が大勝し、安倍内閣が発足した。経済対策などにより高い支持を受け、2014年に国家公務員制度改革の課題の一つであった内閣人事局を発足させた。この制度の概要も紹介したい。