2026年3月5日(木)18時から20時まで、東京四谷の主婦会館プラザエフにおいて、東京銀杏会創立30周年記念事業の一環として2025年度第3回懇話会を開催しました。東京銀杏会では20周年の際にも特別講演を実施しており、今回も大学当局のご協力を得て開催することができました。
講師には東京大学教授で危機管理担当副学長の岡部徹先生をお迎えし、「レアメタルと日本の安全保障」をテーマにご講演いただきました。岡部先生はチタンを中心に35年以上レアメタル研究に携わり、世界各地の鉱山や精錬所を訪れながら研究を進めてこられました。
講演では、金属は精錬技術の開発によって初めて広く利用されるようになることが説明されました。チタンは軽くて強い優れた性質を持つものの精錬が難しく、実用化が遅れた金属です。現在では航空機材料などに広く使われ、日本は主要な生産国として重要な地位を占めています。また、生体との親和性が高いことから医療分野でも利用され、浅草寺の屋根に用いられている例なども紹介されました。
レアメタルは非鉄金属のうちアルミニウムや銅のような大量生産金属を除いたものを指し、ネオジムなどは強力な磁石に不可欠な元素として電子機器やモーターに広く使われています。現在の自動車やドローンは多くのレアメタルを利用しており、自動車は「走るレアメタル」とも言われます。
一方で、レアメタルの採掘や精錬には大きな環境負荷が伴います。資源量があっても採掘や精錬のコストが高い場合が多く、環境問題への対応も重要な課題となっています。電気自動車(EV)もレアメタルを使用している以上、単純に環境に優しいとは言えないなど、資源と環境の両面から考える必要性が指摘されました。資源、環境、技術、安全保障を総合的に考える重要性を示す、大変示唆に富む講演となりました。
講演終了後は懇親会が開催されました。懇親会は、嶋津昭会長(1967法)のご挨拶と乾杯のご発声で始まり、岡部先生を囲んでの質疑応答や、参加者同士の意見交換の輪が広がりました。中締めは杉本文雄代表幹事(1977工)のご挨拶で、名残惜しくも会は終了しました。
なお、講演の概要記事は4月発行の銀杏会ニュース173号に掲載されるほか、詳細は2026年度秋に発行予定の会報「銀杏」第27号に掲載する予定です。
講演の様子



懇親会の様子




