3月8日(土)15時より、パナソニック汐留美術館で第16回の美術鑑賞会を開催しました。

今回は、日本でも最も有名な20世紀の建築家のひとりである、ル・コルビュジエ(1887−1965)を鑑賞しました。彼が活動の後期に提唱した、建築によって絵画・彫刻・素描・タペストリーなどをつなぐ「諸芸術の綜合」がテーマになった、日本初の展示です。

「本当は画家になりたかった」と言われる彼の絵には、「雄牛」のモチーフが頻繁に登場する初期の作品にはピカソにも通ずる点を感じます。ただ、個々の描き込みやモンタージュなどに特徴が感じられます。同時に展示されていたカンディンスキーなどとの相互の影響を感ずる部分など、モダニズム建築をリードした時代の空気を強く感じました。

第二次世界大戦後は次第にピュリズムから離れ、1955年に発表した「ロンシャンの礼拝堂」によって新境地を開いたと感じます。その頃には、貝殻の収集など自然の造形に影響を受け、彫刻・タペストリーなどに有機的な作品が顕著になってきます。

晩年のインド北部のチャンディガールの建築群の紹介では、1930年に発表した「300万人の都市」に対する回答とも言え、興味深い紹介でした。
いつもの通り行われた、新虎通り沿いのビアハウスでの交流会では、チャンディガールを実際に訪れた経験を持つ小浪さんの話も聞くことができ、楽しいひと時を過ごしました。

(文責:世話人 小川清則 1975工、写真:渡口 潔 古い写真:小浪悠紀子 1968 薬)

パナソニック汐留美術館入口で記念撮影
YONA YONA BEER WORKSでの交流会で乾杯

下の2枚の写真は小浪悠紀子が2008年にインドのチャンディガールで撮ったル・コルビュジエのチャンディガール都市計画関連写真です。今回の展覧会で同じような写真が掲載されていましたが、それらの写真を撮ることはできませんでしたので古い写真を載せました。
 

合同庁舎
議事堂遠景