第30回江戸・東京を知る会 赤羽・URまちとくらしのミュージアム が11月9日(土)に開催されました。当日は、ご家族連れの方を含め15名の参加を得て赤羽周辺とURまちとくらしのミュージアムを訪問しました。
当日は14時に赤羽駅北改札口に集合。思いのほかの混雑ぶりで、集合場所が分かりにくく人数がそろうかひやひやしましたが時間には全員集合で出発することができました。最初の訪問地は、赤羽駅西口からほど近い稲付城址です。通りから少し入っただけで静かな住宅になり、その奥の高台に山城の形で太田道灌が築いたといわれます。現在は静勝寺が立つ高台の平地に城砦が置かれ江戸城と北の岩槻城を中継するための山城としてにらみを利かせていたことがわかります。
この高台から三日月坂を下って、さらに登り返すと赤羽台の団地に至ります。戦前、旧日本陸軍の軍服などを生産する被服本廠があり、戦後は接収され米軍東京兵器補給廠第3地区となっていました。1958年(昭和33年)に接収が解除され、発足3年目の日本住宅公団に払い下げられ、23区内では初めての3,373戸と大規模・高密度な公団住宅の整備が行われました。老朽化が進んだため、現在では「ヌーヴェル赤羽台」へと建て替えられ、北部は東洋大学の校舎となっています。
この建て替え事業を機に、2023年9月、団地をテーマにした「URまちとくらしのミュージアム」がオープンしました。ミュージアムの敷地内には、もっとも一般的な住棟である「板状階段室型」と、上から見るとY字形になっている住棟「スターハウス」3棟があり、2019年に団地として初めて、登録有形文化財に指定されています。
ミュージアムはツアー形式で巡るシステムとなっています。見どころは何と言っても、名作団地の復元で、関東大震災の復興のための同潤会代官山アパートメント、“食寝分離”を初めて実現させた蓮根団地、ル・コルビュジエの弟子だった建築家・前川國男が設計した晴海高層アパート、庭付き2階建ての多摩平団地テラスハウスの4団地計6戸が完全復元されています。ミュージアムスタッフの丁寧な解説を頂きながら都市型住宅の歴史を振り返ることができました。
最後の懇親会は、昔ながらの活気ある街並みに飲食店を中心に約100店舗が並び呑兵衛の聖地と紹介されることも多い赤羽一番街で行いました。参加の皆様それぞれの住宅の経験も踏まえて盛り上がりのあるひと時を過ごすことができました。
(文責:世話人 小川富由1977工、写真:小川)



